凝縮伝熱と対流伝熱 -2 / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, リサイクル乾燥

凝縮伝熱と対流伝熱 -2

前回の続きです。

次に具体的に熱を如何に伝えているかを記します。
先ずは高温の油、温水の媒体を介した間接加熱の伝熱についてです。これらの熱媒体には相転移はありません。自身の温度を下げながら加熱物に熱を与えています。顕熱による加熱です。この伝熱は「対流伝熱」と言えます。
一方蒸気による間接加熱は相転移を伴います。加熱物に物を介して蒸気が当たると一瞬のうちに相転移、凝縮つまり飽和蒸気が飽和水へと変化し、その一瞬に保有している潜熱を放出します。この潜熱を一気に放出することで加熱対象物を加熱します。これを「凝縮伝熱」と言います。
潜熱についてもう少し記すとこの潜熱を逆に利用したのが、打ち水効果のドライミスト冷却です。これはミクロン単位の霧状の水を撒くと一瞬のうちに蒸発します。この蒸発の相転移時に周りの熱を奪う。この熱が潜熱です。周りの熱を奪う、蒸発時の気化熱つまり潜熱により周りが冷やされ涼しくなります。蒸気は凝縮する際潜熱のみ放出します。
潜熱を放出され相転移により液化された水は復水、ドレンと呼ばれ、蒸気乾燥機であればこれはスチームトラップにより排出され、この際は顕熱を放出します。蒸気による間接加熱は潜熱のみにより加熱され、顕熱はスチームトラップにより放出されています。


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蒸気の潜熱利用
蒸気の潜熱利用により油、温水と比較すると2~5倍の熱量利用ができます。

 

蒸気の潜熱利用

 


クローズドドレン回収
乾燥後排出されるドレン、フラッシュ蒸気を回収利用すれば燃料費が削減できます。

ドレンクローズド回収

 


蒸気 圧力による温度調整
蒸気圧力の変更ににより、乾燥対象物に合わせた乾燥温度に調整できます。

 

蒸気圧力による温度調整

 


熱風乾燥とのランニングコストの比較
ランニングコストの差は主に燃料費によるものです。又、低温乾燥のため乾燥機本体の損傷も少ないです。

 

熱風乾燥との比較

 


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会社サイト: https://kenki-corporation.jp