■ ヒートポンプについて |
ヒートポンプとは、熱エネルギーを燃焼から取り出す代わりに、熱を移動させることによって熱エネルギーを取り出すシステムを指します。例えば、エアコンのように気体を強制的に膨張・蒸発、圧縮・凝縮させながら循環させて熱交換を行い、その気体の熱エネルギーを利用している装置、システムです。
この熱の移動が水などを汲み上げるポンプに似ていることから、ヒートポンプと呼ばれていますが、石油などの化石燃料を燃焼し熱エネルギーを得る熱利用の方法と比較すると、非常に効率が良く、省エネルギー化が出来る上、二酸化炭素CO2の排出量も少ないため環境負荷が低く大きく期待されています。
ヒートポンプとは |
熱エネルギーを燃焼から取り出す代わりに、熱を移動させることによって熱エネルギーを取り出すシステム。非常に効率が良い上、二酸化炭素CO2排出量が少ないため環境負荷が低い。 |
■ ヒートポンプの基本原理 |
このヒートポンプは、ボイル・シャルルの法則と熱力学の第2法則が大きく係わっています。
ボイルの法則とは温度が一定であれば、一定量の気体の圧力と体積の積は常に一定であり、シャルルの法則とは圧力が一定であれば、一定量の気体の体積は絶対温度に正比例の関係であると定義付けられています。これら2つの法則を1つにまとめたものがボイル・シャルルの法則で、端的に表現すると「気体は圧力が大きくなると温度は上昇し、圧力が小さくなると温度は低下する。」となります。
一方、熱力学の第2法則は熱移動については「熱は熱いものから冷たいものへ移動するが、その逆は成立しない。」と定義付けられています。
ボイル・シャルルの法則 | 気体は圧力が大きくなると温度は上昇し、圧力が小さくなると温度は低下する。 |
熱力学の第2法則 | 熱は熱いものから冷たいものへ移動するが、その逆は成立しない。 |
■ ヒートポンプのフローの例 |
下記にヒートポンプのエアコンの簡単なフローを示しています。
エアコンは低温でのシステムですが非常に高い温度のヒートポンプシステムの構築は困難です。例えば、蒸気タービンでは発電機を回す発電所で使用する蒸気には非常に大きな圧力なため温度が高くヒートポンプでの対応は難しいのですが、熱源として使用する蒸気圧力が0.7Mpa以下であるKENKI DRYER であればヒートポンシステムの対応は可能です。