活性汚泥とは / 汚泥乾燥, リサイクル乾燥
下水処理場の殆ど及び工場、事業所の多くでの排水処理は活性汚泥法が採用されています。その活性汚泥法の活性汚泥とは一体何でしょうか。
■ 活性汚泥とは |
活性汚泥とは、細菌や微小動物などの微生物のことで川や水路、土の中など、色々な場所にいる生き物です。空気中やほこりの中にも胞子のような状態でまぎれていたりします。排水、下水に空気を入れ攪拌するとこれらの生物が活動をはじめます。そしてどんどん増殖し活性汚泥になります。
活性汚泥は、微生物の集合体が数mm程度の綿くず状でふわふわした泥のようなものですが、水中を漂う様子は観察できこれをフロックと呼んでいます。このフロックはバクテリアと多くの種類の原生動物などの微生物の集合体で、これに排水、下水を混ぜ空気を吹き込み、かき混ぜると汚れを食べ増殖し、水をきれいにします。活性汚泥は、攪拌をやめると沈殿し、上澄みの部分に無色透明な処理水が得られます。最終沈殿池ではこのようにして活性汚泥と上澄み液を分離します。
活性汚泥のフロックは、活性汚泥で凝集する細菌をズーグレアと呼んでおり、このズーグレアがネバネバを出してお互いがくっつきあい固まりをつくったものです。ズーグレアには、微生物が分解できない粒子も取り込んで、汚水から除去する働きもあります。
活性汚泥が食べ、増殖が可能なのは主に有機物で、油、毒、農薬、化学薬品は活性汚泥は食べる事ができず死滅することがあります。下水に流す内容に制限があり、洗剤、殺虫剤等の化学製品が流せないのは、下水処理が活性汚泥法のため処理ができないこともあります。有機物ではない、無機物の排水処理ではこの活性汚泥を利用した処理方法は採用されません。
活性汚泥は有機物を食べて増殖し、一部は炭酸ガスに分解します。この際に空気をふきこむと、空気中の酸素をつかいます。
汚れ+酸素→活性汚泥の増殖+炭酸ガス
■ 窒素・リンの除去
窒素やリンは肥料の成分ですが、これは海の赤潮を引き起こします。活性汚泥法の処理を工夫すると窒素、リンを除去できます。
■ 窒素処理
1)活性汚泥は、好気状態では(空気がある状態)、窒素をアンモニウムイオンから硝酸イオンに変えます。
窒素(アンモニウムイオン)→窒素(亜硝酸イオン)→窒素(硝酸イオン)
2)嫌気状態では(空気がない状態)でが硝酸イオンを窒素ガスに変えます。(脱窒)
窒素(硝酸イオン)→窒素ガス
■ リン処理
活性汚泥は、ある条件下では酸素があるところではリンを吸収し、酸素のないところでリンを吐き出させる事ができます。その性質を利用し排水中のリンを活性汚泥に吸収させ集めることが可能です。
従来法といわれる標準活性汚泥法での排水処理場での活性汚泥は、排水中の汚れを食べ増殖し水をきれいにしますが、過剰に増殖した活性汚泥は沈殿し余剰汚泥となり、その汚泥は処理が必要です。凝集する細菌を増殖させて沈降分離させその沈殿物が余剰汚泥で、それは濃縮、脱水工程を経て通常は廃棄されます。
脱水工程後も多くの水分を含んでおりそれを KENKI DRYER で乾燥し重量を減らせば産廃費の削減ができます。あるいは、余剰汚泥は有機物ですので、低温乾燥の KENKI DRYER で乾燥すれば成分が変化せずリサイクルが可能です。
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