蒸気圧力について / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, 廃棄物乾燥

■ 蒸気圧力

 

水を沸騰させると蒸気が発生しますが、それぞれの体積には大きな違いあります。例えば、大気圧下で圧力を加えないで蒸気を発生させると、蒸気の体積は水の約1,700倍になります。
蒸気を発生させるボイラーは密閉された容器内の水を加熱し蒸気を発生させます。容器を膨張させることはありませんので蒸気に圧力が生まれます。同体積内で蒸気発生量を増加させると、増加分だけ蒸気の圧力が増します。圧力がある蒸気を配管を通すことにより、蒸気を遠くまで送ることができます。配管の距離が長い程圧力は低下します。
蒸気を発生させるボイラーでの圧力調整は、燃料、空気量、水量等の制御が必要となるため複雑で、通常は蒸気を利用する装置側2次側の圧力調整弁で行ないます。

 

■ 飽和蒸気の体積

 

ボイラーから発生した蒸気は少量の水分を含んでいます。水分を含んだ蒸気を湿り飽和蒸気と言います。蒸気配管に穴が開くと蒸気は吹き出します。穴から吹き出すのは圧力がある蒸気だけではありません。配管内の水分の圧力が下がることで、飽和水が蒸気となり体積が急膨張して、一緒に吹き出します。スチームトラップから排出されるドレン水が、圧力低下により一部フラッシュ蒸気になりますがこれと同じ理由です。
湿り飽和蒸気の圧力の上昇に伴い比体積(m3/kg)は、飽和水は上昇し、飽和蒸気は下降します。詳しくは下記表をご参照ください。

 

飽和蒸気表
ゲージ圧力 温度 比体積 ( m3/kg)
(Mpa・G) (℃) 飽和水 飽和蒸気
0.1 120 0.0010434 1.694
0.2 134 0.0010608 0.8854
0.3 144 0.0010735 0.6056
0.4 152 0.0010839 0.4622
0.5 159 0.0010928 0.3747
0.6 165 0.0011009 0.3155
0.7 170 0.0011082 0.2727
0.8 175 0.0011150 0.2403

 

 

■ 蒸気圧力と蒸気流量


飽和蒸気は同流速での蒸気流量は圧力が上昇すれば増加します。つまり、配管が同サイズの場合、蒸気圧力が上昇すれば蒸気流量は増加します。
湿り飽和蒸気の配管サイズの選定は、蒸気流速を20m/S を以下とし、蒸気圧力(Mpa)と必要な蒸気流量(kg/h)で決定します。

 

■  蒸気圧力と蒸気温度

 

飽和蒸気は圧力により蒸気温度が異なり圧力が上昇すると温度も上昇します。圧力が低下すれば温度も低下します。蒸気温度の変更は、圧力調整弁を調整することにより簡単に行えます。但し、圧力を上昇させると温度の上昇と共に蒸気流量も増加します。圧力を下げると温度の低下とともに蒸気流量も減少します。これらはボイラーで使用する燃料の量に影響しできるだけ低い蒸気圧力での蒸気利用の方が燃料費は安価になりランニングコストは抑えることができます。
KENKI DRYER の乾燥熱源は飽和蒸気を使用していますが、蒸気圧力の調整により乾燥対象物に合わせた温度の設定が簡単に行えます。但し、蒸気圧力の調整は蒸気温度の変更を行えますが、蒸気流量も変化しボイラーの燃料費も上下します。

蒸気圧力と蒸気温度 KENKI DRYER 乾燥機 2018.4.27

 


■ ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER 従来との比較について

 

蒸気(飽和蒸気)でのヒートポンプ自己熱再生乾燥機 KENKI DRYER とは、乾燥熱源である蒸気を利用した自己熱再生乾燥システムです。
蒸気ヒートポンプの工程は、KENKI DRYER で加熱乾燥に利用した蒸気を膨張弁での断熱膨張により圧力は低下し、蒸気内の水分は蒸発、気化し周辺の熱を吸収し蒸気温度は下降します。その蒸気を次の工程の熱交換器で熱移動することによりさらに蒸発、気化させ蒸気圧力を低下させます。十分に蒸発、気化が行われ圧力が下げられた蒸気は次の圧縮工程へ進みます。
圧縮工程の圧縮機で蒸気を断熱圧縮を行うことで、圧力は上昇しそれに伴い凝縮、液化し温度は上昇します。その蒸気の水分を除去した上で KENKI DRYER へ投入します。KENKI DRYER はその投入された蒸気を熱源として利用、加熱乾燥という熱移動を行うことで、蒸気はさらに十分に凝縮、液化され膨張弁へ進みます。この工程を繰り返します。
ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER と従来ボイラー発生蒸気(飽和蒸気)のみ使用の場合の比較については下記の通りです。実証値ではなく予想値です。

 

ボイラー二酸化炭素排出量
石油系炭化水素ガス 消費量(m3N/h)
単位発熱量 ×排出係数 ×44/12
CO2 排出量(tCO2/h)
ボイラー燃料 58 × 0.002338 0.1356
圧縮機二酸化炭素排出量
消費電力
(kwh)
調整後排出係数

(t-CO2/kWh)

CO2 排出量(tCO2/h)
圧縮機軸動力 125 × 0.000347 0.0434

 

ランニングコスト削減 二酸化炭素排出量削減 ヒートポンプ乾燥機 汚泥乾燥機 2020.6.15

 

ヒートポンプ乾燥機

 

■ 熱源 蒸気

 

KENKI DRYERの乾燥の熱源は飽和蒸気のみながら伝導伝熱と熱風併用で他にはない画期的な乾燥方式を取り入れ安全衛生面で優れ、安定した蒸気を熱源とするため乾燥後の乾燥物の品質は均一で安定しています。蒸気圧力は最大0.7Mpaまで使用可能で、乾燥条件により蒸気圧力の変更つまり乾燥温度の調整は簡単に行なえます。飽和蒸気は一般の工場では通常利用されており取り扱いに慣れた手軽な熱源だと言えます。バーナー、高温の熱風を利用する乾燥と比較すると、飽和蒸気はパイプ内を通し熱交換で間接乾燥させる熱源であることから、低温で燃焼する事はなく安全衛生面、ランニングコスト面で優れています。又、低温乾燥のため乾燥機本体の損傷も少なく簡単な構造で、交換部品点数は少なくメンテナンスは容易で壊れにくく長期間の使用ができます。

飽和蒸気には特有の特徴があります。蒸気圧力の変更に伴い蒸気温度が変わるため、乾燥温度の調整が簡単に行なます。又、凝縮熱、潜熱を利用できるため温水、油等の顕熱利用と比較すると熱量が2~5倍で乾燥に最適な熱源と言えます。
飽和蒸気は乾燥後ドレンとなりますがそれは回収ができ蒸気発生装置ボイラーへの供給温水として利用すれば燃料費等のランニングコストは安価で済みます。
KENKI DRYER は蒸気での低温での間接間乾燥ですが、特許取得済みの独自の機構で、どんな付着性、粘着性がある原料でも乾燥機内部で詰まることがありません。低温乾燥は高温乾燥と比較すると、低温での乾燥の場合、付着、粘着性のある乾燥対象物の乾燥は、対象物が乾燥機内部に詰まることが多いのですが、KENKI DRYER では詰まりによるトラブルは一切発生しません。
低温での乾燥は、乾燥対象物の成分の変化が少なく、乾燥後様々な用途に利用でます。例としては、燃料、土壌改良剤等です。次の処理工程での利用に乾燥後の乾燥物の物性が優れているため KENKI DRYER のアプリケーション 燃料化、発電システムでの利用に最適です。

 

なぜ低温で乾燥させるのですか? / KENKI DRYER / 汚泥乾燥,リサイクル乾燥, スラリー乾燥

熱源 蒸気

アプリケーション

 

どこもできない付着物、粘着物及び液体状の乾燥に是非 KENKI DRYER をご検討下さい。
国際特許技術の簡単な構造でイニシャル、ランニング、メンテナンスコストが安価です。
汚泥乾燥では乾燥機械代金を産廃費約2、3年での償却を目指しています。
原料スラリー乾燥では箱型棚段乾燥の置き換えで人手がいらず乾燥の労力が大幅に減ります。
有機廃棄物乾燥では燃料、肥料、土壌改良剤、飼料等へ再資源化リサイクル利用ができます。

 

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