潜熱と顕熱と凝縮熱 / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, 廃棄物乾燥

■ 潜熱と顕熱

 

飽和水を加熱し続けても水の温度は上がらず沸騰し続けます。この際に発生する蒸気を飽和蒸気と言いますが、この際の飽和水を飽和蒸気にする熱を潜熱と言います。潜熱は圧力によって異なり、圧力が上昇するに従って減少し圧力が22.06Mpaに達すると0になります。
又、飽和蒸気、飽和水が保有する熱量を比エンタルピと言います。この比エンタルピは飽和蒸気表がありそれにより把握することができます。下記表をご参照下さい。
一方、ある物体の状態を変化させずに温度を変化させるための熱を顕熱と言います。上記の水を加熱すると液体が気体へ変化する場合とは異なり、液体の状態で相は変化せずに温度が上昇しその温度が測定できる熱が顕熱です。それは気体であっても同様で気体のままで状態が相が変化しない温度変化は顕熱です。
温度が測定できるの熱が顕熱、温度が測定できない熱が潜熱と言えます。

 

凝縮熱

 

水が蒸発して蒸気となりますが、その蒸気を冷やすと水になります。水になる際に熱を放出しますがその熱を凝縮熱と言います。凝縮熱は相変化時の熱で潜熱と同じ熱量で顕熱と比較すると2~5倍と大きな熱量です。

 

■ 乾燥熱源飽和蒸気

 

KENKI DRYER は熱源に飽和蒸気を使用しており凝縮熱を利用した乾燥機です。蒸気を間接的に乾燥物へ当てます。乾燥物に当たると蒸気は冷え、液体へ変化します。その際に発生する凝縮熱を利用し乾燥物を加熱乾燥しています。
他に間接式の乾燥では温水や油で乾燥させる方法があります。それらは常に液体の状態で、乾燥物に当てても液体からの相変化はありません。その液体が持っている顕熱のみので加熱乾燥を行なっています。蒸気乾燥と比較すると乾燥の具合が大きく異なります。

 

蒸気の潜熱利用

 

 

■ 飽和蒸気の顕熱と潜熱

 

飽和蒸気は顕熱と潜熱の両方を保有し、その割合は圧力により異なります。圧力が上昇するに従い潜熱は小さくなりますが顕熱は大きくなります。逆に圧力が下がると潜熱は大きくなり顕熱は小さくなります。顕熱と潜熱を合わせた全熱量は圧力が上がるに従い大きくなります。
下記表をご参照下さい。

 

飽和蒸気表
ゲージ圧力温度比エンタルピ (kJ/kg)
(Mpa・G)(℃)顕熱潜熱全熱量
0.0011004192,2572,676
0.11205052,2022,707
0.21345612,1632,725
0.31446052,1332,738
0.41526402,1072,748
0.51596702,0852,756
0.61656972,0652,762
0.71707202,0472,768
0.81757252,0302,772

 

蒸気の圧力については次回説明致します。

 


■ ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER 従来との比較について

 

蒸気(飽和蒸気)でのヒートポンプ自己熱再生乾燥機 KENKI DRYER とは、乾燥熱源である蒸気を利用した自己熱再生乾燥システムです。
蒸気ヒートポンプの工程は、KENKI DRYER で加熱乾燥に利用した蒸気を膨張弁での断熱膨張により圧力は低下し、蒸気内の水分は蒸発、気化し周辺の熱を吸収し蒸気温度は下降します。その蒸気を次の工程の熱交換器で熱移動することによりさらに蒸発、気化させ蒸気圧力を低下させます。十分に蒸発、気化が行われ圧力が下げられた蒸気は次の圧縮工程へ進みます。
圧縮工程の圧縮機で蒸気を断熱圧縮を行うことで、圧力は上昇しそれに伴い凝縮、液化し温度は上昇します。その蒸気の水分を除去した上で KENKI DRYER へ投入します。KENKI DRYER はその投入された蒸気を熱源として利用、加熱乾燥という熱移動を行うことで、蒸気はさらに十分に凝縮、液化され膨張弁へ進みます。この工程を繰り返します。
ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER と従来ボイラー発生蒸気(飽和蒸気)のみ使用の場合の比較については下記の通りです。実証値ではなく予想値です。

 

ボイラー二酸化炭素排出量
石油系炭化水素ガス 消費量(m3N/h)
単位発熱量 ×排出係数 ×44/12
CO2 排出量(tCO2/h)
ボイラー燃料58×0.0023380.1356
圧縮機二酸化炭素排出量
消費電力
(kwh)
調整後排出係数

(t-CO2/kWh)

CO2 排出量(tCO2/h)
圧縮機軸動力125×0.0003470.0434

 

ランニングコスト削減 二酸化炭素排出量削減 ヒートポンプ乾燥機 汚泥乾燥機 2020.6.15

 

ヒートポンプ乾燥機

 

 

■ 熱源 蒸気

 

KENKI DRYERの乾燥の熱源は飽和蒸気のみながら伝導伝熱と熱風併用で他にはない画期的な乾燥方式を取り入れ安全衛生面で優れ、安定した蒸気を熱源とするため乾燥後の乾燥物の品質は均一で安定しています。蒸気圧力は最大0.7Mpaまで使用可能で、乾燥条件により蒸気圧力の変更つまり乾燥温度の調整は簡単に行なえます。飽和蒸気は一般の工場では通常利用されており取り扱いに慣れた手軽な熱源だと言えます。バーナー、高温の熱風を利用する乾燥と比較すると、飽和蒸気はパイプ内を通し熱交換で間接乾燥させる熱源であることから、低温で燃焼する事はなく安全衛生面、ランニングコスト面で優れています。又、低温乾燥のため乾燥機本体の損傷も少なく簡単な構造で、交換部品点数は少なくメンテナンスは容易で壊れにくく長期間の使用ができます。

飽和蒸気には特有の特徴があります。蒸気圧力の変更に伴い蒸気温度が変わるため、乾燥温度の調整が簡単に行なます。又、凝縮熱、潜熱を利用できるため温水、油等の顕熱利用と比較すると熱量が2~5倍で乾燥に最適な熱源と言えます。
飽和蒸気は乾燥後ドレンとなりますがそれは回収ができ蒸気発生装置ボイラーへの供給温水として利用すれば燃料費等のランニングコストは安価で済みます。
KENKI DRYER は蒸気での低温での間接間乾燥ですが、特許取得済みの独自の機構で、どんな付着性、粘着性がある原料でも乾燥機内部で詰まることがありません。低温乾燥は高温乾燥と比較すると、低温での乾燥の場合、付着、粘着性のある乾燥対象物の乾燥は、対象物が乾燥機内部に詰まることが多いのですが、KENKI DRYER では詰まりによるトラブルは一切発生しません。
低温での乾燥は、乾燥対象物の成分の変化が少なく、乾燥後様々な用途に利用でます。例としては、燃料、土壌改良剤等です。次の処理工程での利用に乾燥後の乾燥物の物性が優れているため KENKI DRYER のアプリケーション 燃料化、発電システムでの利用に最適です。

 

 

なぜ低温で乾燥させるのですか? / KENKI DRYER / 汚泥乾燥,リサイクル乾燥, スラリー乾燥

熱源 蒸気

アプリケーション

 

どこもできない付着物、粘着物及び液体状の乾燥に是非 KENKI DRYER をご検討下さい。
国際特許技術の簡単な構造でイニシャル、ランニング、メンテナンスコストが安価です。
汚泥乾燥では乾燥機械代金を産廃費約2、3年での償却を目指しています。
原料スラリー乾燥では箱型棚段乾燥の置き換えで人手がいらず乾燥の労力が大幅に減ります。
有機廃棄物乾燥では燃料、肥料、土壌改良剤、飼料等へ再資源化リサイクル利用ができます。

 

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