ボイラー水のpHについて / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, 廃棄物乾燥

水は外見上は無色透明であっても、その中には無機物や有機物等、様々な物質が溶解しています。蒸気ボイラーで蒸気を発生させる場合は、水が気化、蒸発し蒸気となるのは純水のみで、その他、水に溶解している物質は、ボイラー内に残留あるいは濃縮します。その物質がボイラーへ悪影響を及ぼしスケールの付着や腐食等が発生し、ボイラーそのもの寿命を縮めてしまいます。そのため水に関するボイラーのトラブルを未然に防止し、ボイラーを長持ちさせるためにはボイラーへ供給する水の処理は非常に重要です。
ボイラーで使用する水はJISで定められた水質基準があり、その基準を満たすように水を処理する必要があります。JISでは、補給水の種類から様々な物質の濃度等細かく定められています。その水のpH(ペーハー、ピーエイチ、ピーエッチ)についてです。

現在のボイラーで使用する水についてのJIS規格番号は、JIS B 8223-2015 です。

 

■ pH (ペーハー、ピーエイチ、ピーエッチ)

 

pHとは、水(水溶液)の性質をあらわすひとつの単位です。水の酸性、アルカリ性の度合いを示す数値で、7が中性、数値が小さくなるほど酸性、数値が大きくなるほどアルカリ性です。これは水中の水素イオン(H+)と水酸化物イオン(OH−)の量で決まります。pH値は0~14で表記され、25℃(常温)で7が中性、7より小さければ酸性、7より大きければアルカリ性となります。pHは温度により変化するため25℃での値である必要があります。
JISには、給水やボイラ水それぞれのpHの基準値がありますが、これはボイラ缶体、給水系統等を腐食から守るために設定されています。
JISの産業用水管ボイラーのpH基準値は、下記です。
軟化水使用:蒸気常用使用圧力1.0Mpa以下 / 給水pH5.8~9.0、ボイラー水pH11.0~11.8
pHはpower of Hydrogenの略で、読みはピーエイチ(英語)あるいは、ペーハー(ドイツ語)です。現在の法令及びJISでは、ピーエッチと定められています

水のpH ペーハー ピーエイチ ピーエッチ KENKI DRYER 2018.7.3

 

■ mg/L

 

mg/L の単位表記があります。これは水中に溶けている物質の濃度を示す単位で、1mg/Lとは、水1Lに1mgの物質が溶けていることを示します。

 

■ 酸消費量

 

水中に含まれる水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩等のアルカリ分を示すものです。アルカリ分の量を炭酸カルシウム(CaCO)の量に換算し、1L当たりのmg数(mg/L)で表わしたものです。
JISにはボイラ水の酸消費量の基準値があり、それはシリカスケールの生成を抑制するために定められています。
酸消費量には「酸消費量(pH4.8)」と「酸消費量(pH8.3)」の2種類があります。

1)酸消費量(pH4.8)
酸消費量(pH4.8)は水(水溶液)のpHを4.8よりも高い物質の濃度を表示しています。
酸消費量(pH4.8)は以前M-アルカリ度とも呼ばれていました。これは測定指示薬のメチルオレンジの頭文字のMを取ったものです。現在は、JISで呼び名を「酸消費量(pH4.8)」に統一されています。
JISの産業用水管ボイラーの酸消費量(pH4.8)は、下記です。

軟化水使用:蒸気常用使用圧力1.0Mpa以下 CaCO:100~800mg/L です。

2)酸消費量(pH8.3)
酸消費量(pH8.3)は水溶液のpHを8.3よりも高い物質の濃度を表示しています。

一般的に、酸消費量(pH8.3)はシリカに対して1.7倍以上必要とされており、シリカが析出せず、スケール化を抑制します。
酸消費量(pH8.3)は以前P-アルカリ度とも呼ばれていましたが、これは測定指示薬のフェノールフタレインの頭文字のPを取ったものです。現在、JISで呼び名を「酸消費量(pH8.3)」に統一されています。
JISの産業用水管ボイラーの酸消費量(pH8.3)は、下記です。
軟化水使用:蒸気常用使用圧力1.0Mpa以下  CaCO:80~600mg/L です。

 

 

■ ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER 従来との比較について

 

蒸気(飽和蒸気)でのヒートポンプ自己熱再生乾燥機 KENKI DRYER とは、乾燥熱源である蒸気を利用した自己熱再生乾燥システムです。
蒸気ヒートポンプの工程は、KENKI DRYER で加熱乾燥に利用した蒸気を膨張弁での断熱膨張により圧力は低下し、蒸気内の水分は蒸発、気化し周辺の熱を吸収し蒸気温度は下降します。その蒸気を次の工程の熱交換器で熱移動することによりさらに蒸発、気化させ蒸気圧力を低下させます。十分に蒸発、気化が行われ圧力が下げられた蒸気は次の圧縮工程へ進みます。
圧縮工程の圧縮機で蒸気を断熱圧縮を行うことで、圧力は上昇しそれに伴い凝縮、液化し温度は上昇します。その蒸気の水分を除去した上で KENKI DRYER へ投入します。KENKI DRYER はその投入された蒸気を熱源として利用、加熱乾燥という熱移動を行うことで、蒸気はさらに十分に凝縮、液化され膨張弁へ進みます。この工程を繰り返します。
ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER と従来ボイラー発生蒸気(飽和蒸気)のみ使用の場合の比較については下記の通りです。実証値ではなく予想値です。

 

ボイラー二酸化炭素排出量
石油系炭化水素ガス 消費量(m3N/h)
単位発熱量 ×排出係数 ×44/12
CO2 排出量(tCO2/h)
ボイラー燃料58×0.0023380.1356
圧縮機二酸化炭素排出量
消費電力
(kwh)
調整後排出係数

(t-CO2/kWh)

CO2 排出量(tCO2/h)
圧縮機軸動力125×0.0003470.0434

 

ランニングコスト削減 二酸化炭素排出量削減 ヒートポンプ乾燥機 汚泥乾燥機 2020.6.15

 

ヒートポンプ乾燥機


■ 熱源 蒸気

 

KENKI DRYERの乾燥の熱源は飽和蒸気のみながら伝導伝熱と熱風併用で他にはない画期的な乾燥方式を取り入れ安全衛生面で優れ、安定した蒸気を熱源とするため乾燥後の乾燥物の品質は均一で安定しています。蒸気圧力は最大0.7Mpaまで使用可能で、乾燥条件により蒸気圧力の変更つまり乾燥温度の調整は簡単に行なえます。飽和蒸気は一般の工場では通常利用されており取り扱いに慣れた手軽な熱源だと言えます。バーナー、高温の熱風を利用する乾燥と比較すると、飽和蒸気はパイプ内を通し熱交換で間接乾燥させる熱源であることから、低温で燃焼する事はなく安全衛生面、ランニングコスト面で優れています。又、低温乾燥のため乾燥機本体の損傷も少なく簡単な構造で、交換部品点数は少なくメンテナンスは容易で壊れにくく長期間の使用ができます。

飽和蒸気には特有の特徴があります。蒸気圧力の変更に伴い蒸気温度が変わるため、乾燥温度の調整が簡単に行なます。又、凝縮熱、潜熱を利用できるため温水、油等の顕熱利用と比較すると熱量が2~5倍で乾燥に最適な熱源と言えます。
飽和蒸気は乾燥後ドレンとなりますがそれは回収ができ蒸気発生装置ボイラーへの供給温水として利用すれば燃料費等のランニングコストは安価で済みます。
KENKI DRYER は蒸気での低温での間接間乾燥ですが、特許取得済みの独自の機構で、どんな付着性、粘着性がある原料でも乾燥機内部で詰まることがありません。低温乾燥は高温乾燥と比較すると、低温での乾燥の場合、付着、粘着性のある乾燥対象物の乾燥は、対象物が乾燥機内部に詰まることが多いのですが、KENKI DRYER では詰まりによるトラブルは一切発生しません。
低温での乾燥は、乾燥対象物の成分の変化が少なく、乾燥後様々な用途に利用でます。例としては、燃料、土壌改良剤等です。次の処理工程での利用に乾燥後の乾燥物の物性が優れているため KENKI DRYER のアプリケーション 燃料化、発電システムでの利用に最適です。

 

なぜ低温で乾燥させるのですか? / KENKI DRYER / 汚泥乾燥,リサイクル乾燥, スラリー乾燥

熱源 蒸気

アプリケーション

 

どこもできない付着物、粘着物及び液体状の乾燥に是非KENKI DRYER をご検討下さい。
国際特許技術の簡単な構造でイニシャル、ランニング、メンテナンスコストが安価です。
汚泥乾燥では乾燥機械代金を産廃費約2、3年での償却を目指しています。
原料スラリー乾燥では箱型棚段乾燥の置き換えで人手がいらず乾燥の労力が大幅に減ります。
有機廃棄物乾燥では燃料、肥料、土壌改良剤、飼料等へ再資源化リサイクル利用ができます。

 

熱分解装置 Biogreen
火気を一切使用しない国際特許技術の熱分解装置
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