蒸気の乾き度 / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, リサイクル乾燥

■ 蒸気の乾き度について

 

蒸気は水が気化して気体となったものであり、その蒸気は乾いた状態から湿った状態と様々な状態で存在します。KENKI DRYER は蒸気を熱交換することにより乾燥対象物を加熱、乾燥致しますが、より乾いた状態の蒸気である方が蒸気の熱利用には都合の良い状態と言え、その蒸気の乾きの状態を蒸気の乾き度と言います。その蒸気の乾き度は全蒸気中の気体(気相)部分の重量割合で計算されます。
乾き度[%]=100[%]-湿り度[%]
飽和蒸気が保有する熱量は、顕熱と潜熱の和であり、その乾き度は蒸気の全熱量に影響します。
例えば乾き度50%の蒸気は、乾き度100%の蒸気の50%しか潜熱をもっていません。それは同じ熱量が必要な場合、乾き度の50%の蒸気は乾き度100%の蒸気の2倍の蒸気量が必要となります。

蒸気の乾き度の違いにより蒸気が持つ潜熱量の比較は下記の表をご参照ください。

飽和蒸気の状態 乾き度
(%)
顕熱
(KJ/kg)
潜熱
(kJ/Kg)
潜熱量の対比
乾き蒸気 100 670 2085×1.0=2085 2
湿り蒸気 50 670 2085×0.5=1042.5 1

 

ボイラーでは乾き度の高い蒸気を供給すべく、気水分離器が設置されています。しかし、通常、ボイラーの出口で乾き飽和蒸気を送りだしても、配管輸送の途中に熱損失があるため、乾き度は低下して(湿り度は増加)しまいます。蒸気の乾き度が低下すると、蒸気のもつ潜熱が低下して、加熱、乾燥能力が低下することになります。そのため、蒸気を輸送する蒸気配管の保温は極めて重要です。通常、蒸気配管の保温には、グラスウールの保温材を使用しますが、保温材が厚ければ厚いほど保温効果はありますが、コストは上昇します。通常は保温効果とコストから25〜50mm程度厚さの保温材が使用されます。又、配管の熱損失をゼロにはできませんので、配管内で発生したドレンをスチームトラップによる排除も重要です。
他、最近のボイラーは、乾き飽和蒸気を、排熱を利用した過熱器で更に過熱して、過熱蒸気を作れるように工夫されています

 

KENKI DRYER の蒸気配管はグラスウールで保温されています。

KENKI DRYER スラリー原料乾燥機 スラリー乾燥 2018.1.11

 

 

飽和蒸気表(ご参考)
ゲージ圧力 温度 比エンタルピ (kJ/kg)
(Mpa・G) (℃) 顕熱 潜熱 全熱量
0.001 100 419 2,257 2,676
0.1 120 505 2,202 2,707
0.2 134 561 2,163 2,725
0.3 144 605 2,133 2,738
0.4 152 640 2,107 2,748
0.5 159 670 2,085 2,756
0.6 165 697 2,065 2,762
0.7 170 720 2,047 2,768
0.8 175 725 2,030 2,772

 

 

蒸気のエネルギー量換算方法について / 汚泥乾燥機, スラリー乾燥機, ヒートポンプ汚泥乾燥機

 

 


■ ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER 従来との比較について

 

蒸気(飽和蒸気)でのヒートポンプ自己熱再生乾燥機 KENKI DRYER とは、乾燥熱源である蒸気を利用した自己熱再生乾燥システムです。
蒸気ヒートポンプの工程は、KENKI DRYER で加熱乾燥に利用した蒸気を膨張弁での断熱膨張により圧力は低下し、蒸気内の水分は蒸発、気化し周辺の熱を吸収し蒸気温度は下降します。その蒸気を次の工程の熱交換器で熱移動することによりさらに蒸発、気化させ蒸気圧力を低下させます。十分に蒸発、気化が行われ圧力が下げられた蒸気は次の圧縮工程へ進みます。
圧縮工程の圧縮機で蒸気を断熱圧縮を行うことで、圧力は上昇しそれに伴い凝縮、液化し温度は上昇します。その蒸気の水分を除去した上で KENKI DRYER へ投入します。KENKI DRYER はその投入された蒸気を熱源として利用、加熱乾燥という熱移動を行うことで、蒸気はさらに十分に凝縮、液化され膨張弁へ進みます。この工程を繰り返します。
ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER と従来ボイラー発生蒸気(飽和蒸気)のみ使用の場合の比較については下記の通りです。実証値ではなく予想値です。

 

ボイラー二酸化炭素排出量
石油系炭化水素ガス 消費量(m3N/h)
単位発熱量 ×排出係数 ×44/12
CO2 排出量(tCO2/h)
ボイラー燃料 58 × 0.002338 0.1356
圧縮機二酸化炭素排出量
消費電力
(kwh)
調整後排出係数

(t-CO2/kWh)

CO2 排出量(tCO2/h)
圧縮機軸動力 125 × 0.000347 0.0434

 

ランニングコスト削減 二酸化炭素排出量削減 ヒートポンプ乾燥機 汚泥乾燥機 2020.6.15

 

ヒートポンプ乾燥機

 

■ 熱源 蒸気

 

KENKI DRYERの乾燥の熱源は飽和蒸気のみながら伝導伝熱と熱風併用で他にはない画期的な乾燥方式を取り入れ安全衛生面で優れ、安定した蒸気を熱源とするため乾燥後の乾燥物の品質は均一で安定しています。蒸気圧力は最大0.7Mpaまで使用可能で、乾燥条件により蒸気圧力の変更つまり乾燥温度の調整は簡単に行なえます。飽和蒸気は一般の工場では通常利用されており取り扱いに慣れた手軽な熱源だと言えます。バーナー、高温の熱風を利用する乾燥と比較すると、飽和蒸気はパイプ内を通し熱交換で間接乾燥させる熱源であることから、低温で燃焼する事はなく安全衛生面、ランニングコスト面で優れています。又、低温乾燥のため乾燥機本体の損傷も少なく簡単な構造で、交換部品点数は少なくメンテナンスは容易で壊れにくく長期間の使用ができます。

飽和蒸気には特有の特徴があります。蒸気圧力の変更に伴い蒸気温度が変わるため、乾燥温度の調整が簡単に行なます。又、凝縮熱、潜熱を利用できるため温水、油等の顕熱利用と比較すると熱量が2~5倍で乾燥に最適な熱源と言えます。
飽和蒸気は乾燥後ドレンとなりますがそれは回収ができ蒸気発生装置ボイラーへの供給温水として利用すれば燃料費等のランニングコストは安価で済みます。
KENKI DRYER は蒸気での低温での間接間乾燥ですが、特許取得済みの独自の機構で、どんな付着性、粘着性がある原料でも乾燥機内部で詰まることがありません。低温乾燥は高温乾燥と比較すると、低温での乾燥の場合、付着、粘着性のある乾燥対象物の乾燥は、対象物が乾燥機内部に詰まることが多いのですが、KENKI DRYER では詰まりによるトラブルは一切発生しません。
低温での乾燥は、乾燥対象物の成分の変化が少なく、乾燥後様々な用途に利用でます。例としては、燃料、土壌改良剤等です。次の処理工程での利用に乾燥後の乾燥物の物性が優れているため KENKI DRYER のアプリケーション 燃料化、発電システムでの利用に最適です。

 

なぜ低温で乾燥させるのですか? / KENKI DRYER / 汚泥乾燥,リサイクル乾燥, スラリー乾燥

熱源 蒸気

アプリケーション

 

どこもできない付着物、粘着物及び液体状の乾燥に是非 KENKI DRYER をご検討下さい。
国際特許技術の簡単な構造でイニシャル、ランニング、メンテナンスコストが安価です。
汚泥乾燥では乾燥機械代金を産廃費約2、3年での償却を目指しています。
原料スラリー乾燥では箱型棚段乾燥の置き換えで人手がいらず乾燥の労力が大幅に減ります。
有機廃棄物乾燥では燃料、肥料、土壌改良剤、飼料等へ再資源化リサイクル利用ができます。

 

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