蒸気ドレンについて / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, 廃棄物乾燥

■ 蒸気ドレンとは

 

乾燥の熱源として使用した蒸気は、自身が持つ潜熱を放出、凝縮し液体へ変化します。液体へ変化した際は蒸気と同じ温度の温水です。その温水をドレンと言います。気体である蒸気の持つ熱エネルギーの内、潜熱が乾燥対象物へ移動した結果、液体へ変化しドレンになります。このドレンは、潜熱がなくなり顕熱のみの熱エネルギーで、蒸気が持つ本来持つ熱量はないため速やかに排除する必要があります。

 

■ ドレンの滞留について

 

ドレンが速やかに排出されず滞留すると気体である蒸気は、本来加熱乾燥すべき乾燥対象物へ熱を伝えずにドレンへ変化します。対象物を加熱する熱交換機器が蒸気ではなく、ドレンで満たされドレンの顕熱の熱エネルギーのみでの加熱となり乾燥機の性能は著しく低下します。又、蒸気を輸送する蒸気配管でも放熱はしますのでドレンは発生します。
ドレンを素早く排除するためスチームトラップを使用します。スチームトラップには多くの種類があり、適切な種類の選択、使用する場所、使用する数量に注意を払う必要があります。なるべく小さなサイズのトラップを数多く取り付けた方がドレンの滞留を防ぐことができます。

 

■ ドレンの回収


スチームトラップから排出されたドレンはそのまま捨てるのではなく回収した上で利用ができます。ドレンを回収し利用する事をドレン回収と言います。ドレンには顕熱の熱エネルギーを持っているためそれを利用することで、熱による燃料費の削減そして水の節減ができます。
スチームトラップよりはドレンの他に白煙、湯気も発生します。この湯気はフラッシュ蒸気と呼ばれています。このフラッシュ蒸気は圧力の高い高温のドレンが大気圧下に解放され沸騰したものです。大気圧下ではドレンは圧力が下がり高温を維持できず温度が100℃まで下がり沸騰します。これがフラッシュ蒸気でドレンと一緒に排出されます。
このドレンとフラッシュ蒸気は回収ができ、ドレンのみを回収する場合をオープン回収、ドレン、フラッシュ蒸気両方を回収する場合はクローズド回収と言い区別されています。クローズド回収の方が熱量の回収量が多いだけランニングコストの削減量多いのですが、設備代の費用はオープン回収よりかかります。イニシャル及びランニング両方のコストから回収方法を決定します。

 

■ ドレン回収による効果

 

1)省エネ
ボイラーでドレンを回収し利用することでドレンの持つ顕熱の熱エネルギーを利用できます。これによりボイラーの燃料費が削減できます。又、燃料使用量の削減はCO2の排出量を少なくでき環境への貢献、環境保全とも言えます。

2)水の節約
ドレンは蒸気の気体が液体の水に変化したもののため、工業用水として利用できます。ボイラーの給水として利用すればボイラーの使用水量の削減になります。

 

下記は飽和蒸気表です。蒸気圧力により顕熱と潜熱の比エンタルピは異なります。

飽和蒸気表
ゲージ圧力温度比エンタルピ (kJ/kg)
(Mpa・G)(℃)顕熱潜熱全熱量
0.0011004192,2572,676
0.11205052,2022,707
0.21345612,1632,725
0.31446052,1332,738
0.41526402,1072,748
0.51596702,0852,756
0.61656972,0652,762
0.71707202,0472,768
0.81757252,0302,772

 

 

下記はKENKI DRYER 投入装置の写真です。軸には蒸気を投入し、乾燥物を加熱しながら粉砕投入しています。

KENKI DRYER 投入装置 汚泥乾燥 スラリー乾燥 2018.5.11

 

 

 


■ ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER 従来との比較について

 

蒸気(飽和蒸気)でのヒートポンプ自己熱再生乾燥機 KENKI DRYER とは、乾燥熱源である蒸気を利用した自己熱再生乾燥システムです。
蒸気ヒートポンプの工程は、KENKI DRYER で加熱乾燥に利用した蒸気を膨張弁での断熱膨張により圧力は低下し、蒸気内の水分は蒸発、気化し周辺の熱を吸収し蒸気温度は下降します。その蒸気を次の工程の熱交換器で熱移動することによりさらに蒸発、気化させ蒸気圧力を低下させます。十分に蒸発、気化が行われ圧力が下げられた蒸気は次の圧縮工程へ進みます。
圧縮工程の圧縮機で蒸気を断熱圧縮を行うことで、圧力は上昇しそれに伴い凝縮、液化し温度は上昇します。その蒸気の水分を除去した上で KENKI DRYER へ投入します。KENKI DRYER はその投入された蒸気を熱源として利用、加熱乾燥という熱移動を行うことで、蒸気はさらに十分に凝縮、液化され膨張弁へ進みます。この工程を繰り返します。
ヒートポンポンプ乾燥機 KENKI DRYER と従来ボイラー発生蒸気(飽和蒸気)のみ使用の場合の比較については下記の通りです。実証値ではなく予想値です。

 

ボイラー二酸化炭素排出量
石油系炭化水素ガス 消費量(m3N/h)
単位発熱量 ×排出係数 ×44/12
CO2 排出量(tCO2/h)
ボイラー燃料58×0.0023380.1356
圧縮機二酸化炭素排出量
消費電力
(kwh)
調整後排出係数

(t-CO2/kWh)

CO2 排出量(tCO2/h)
圧縮機軸動力125×0.0003470.0434

 

ランニングコスト削減 二酸化炭素排出量削減 ヒートポンプ乾燥機 汚泥乾燥機 2020.6.15

 

ヒートポンプ乾燥機

 

■ 熱源 蒸気

 

KENKI DRYERの乾燥の熱源は飽和蒸気のみながら伝導伝熱と熱風併用で他にはない画期的な乾燥方式を取り入れ安全衛生面で優れ、安定した蒸気を熱源とするため乾燥後の乾燥物の品質は均一で安定しています。蒸気圧力は最大0.7Mpaまで使用可能で、乾燥条件により蒸気圧力の変更つまり乾燥温度の調整は簡単に行なえます。飽和蒸気は一般の工場では通常利用されており取り扱いに慣れた手軽な熱源だと言えます。バーナー、高温の熱風を利用する乾燥と比較すると、飽和蒸気はパイプ内を通し熱交換で間接乾燥させる熱源であることから、低温で燃焼する事はなく安全衛生面、ランニングコスト面で優れています。又、低温乾燥のため乾燥機本体の損傷も少なく簡単な構造で、交換部品点数は少なくメンテナンスは容易で壊れにくく長期間の使用ができます。

飽和蒸気には特有の特徴があります。蒸気圧力の変更に伴い蒸気温度が変わるため、乾燥温度の調整が簡単に行なます。又、凝縮熱、潜熱を利用できるため温水、油等の顕熱利用と比較すると熱量が2~5倍で乾燥に最適な熱源と言えます。
飽和蒸気は乾燥後ドレンとなりますがそれは回収ができ蒸気発生装置ボイラーへの供給温水として利用すれば燃料費等のランニングコストは安価で済みます。
KENKI DRYER は蒸気での低温での間接間乾燥ですが、特許取得済みの独自の機構で、どんな付着性、粘着性がある原料でも乾燥機内部で詰まることがありません。低温乾燥は高温乾燥と比較すると、低温での乾燥の場合、付着、粘着性のある乾燥対象物の乾燥は、対象物が乾燥機内部に詰まることが多いのですが、KENKI DRYER では詰まりによるトラブルは一切発生しません。
低温での乾燥は、乾燥対象物の成分の変化が少なく、乾燥後様々な用途に利用でます。例としては、燃料、土壌改良剤等です。次の処理工程での利用に乾燥後の乾燥物の物性が優れているため KENKI DRYER のアプリケーション 燃料化、発電システムでの利用に最適です。

 

なぜ低温で乾燥させるのですか? / KENKI DRYER / 汚泥乾燥,リサイクル乾燥, スラリー乾燥

熱源 蒸気

アプリケーション

 

どこもできない付着物、粘着物及び液体状の乾燥に是非 KENKI DRYER をご検討下さい。
国際特許技術の簡単な構造でイニシャル、ランニング、メンテナンスコストが安価です。
汚泥乾燥では乾燥機械代金を産廃費約2、3年での償却を目指しています。
原料スラリー乾燥では箱型棚段乾燥の置き換えで人手がいらず乾燥の労力が大幅に減ります。
有機廃棄物乾燥では燃料、肥料、土壌改良剤、飼料等へ再資源化リサイクル利用ができます。

 

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火気を一切使用しない国際特許技術の熱分解装置
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