蒸発熱(気化熱)と凝縮熱-2 水蒸気 / 汚泥乾燥, スラリー乾燥, 廃棄物乾燥
水分が含んだ乾燥物の水分を蒸発させると液体から無色透明の気体へ状態変化します。これを蒸気と言い、水の蒸気は水蒸気と呼びます。沸騰しているヤカンの口から出ている白い煙は液体に戻った小さな粒ですが、これらもいずれ蒸発し無色透明になり空気に溶け込み水蒸気になります。
沸騰したヤカンの口の周辺の空気はたくさんの水蒸気を含んだ状態になり、湿気が高くなりますが、単位体積当たりの空気内で存在できる水蒸気量は限度があり温度により異なります。1m3当たりの大気中1atmで存在できる水蒸気量を飽和水蒸気量と言います。
又、水の液体と気体の体積を比較すると、大気圧1atmで100℃の水蒸気は100℃の水の約1700倍の体積になります。
飽和水蒸気量と水蒸気の体積の2点からも、乾燥機内は常に空気の流れを作る必要があります。
■ 蒸発熱(気化熱)と凝縮熱 |
乾燥物に含まれている水分を蒸発させるために必要な熱エネルギーである蒸発熱(気化熱)の熱量はその水分の温度により異なります。この蒸発熱量は、気体が液体へ状態変化する際に発生する凝縮熱と同じ熱量で潜熱です。
蒸発熱 | 液体が気体へ状態変化する際に必要な熱。潜熱。 |
凝縮熱 | 気体が液体へ状態変化する際に発生する熱。潜熱。蒸発熱と同じ量の熱量。 |
蒸発熱量 / 水 1kg・気圧 1atm | |
温度 | 熱量 |
(℃) | (kJ/kg) |
0 | 2,502 |
5 | 2,511 |
10 | 2,520 |
15 | 2,466 |
20 | 2,454 |
25 | 2,443 |
30 | 2,431 |
35 | 2,419 |
40 | 2,407 |
45 | 2,395 |
50 | 2,383 |
55 | 2,371 |
60 | 2,359 |
65 | 2,349 |
70 | 2,334 |
75 | 2.322 |
80 | 2.309 |
85 | 2,296 |
90 | 2,283 |
95 | 2,270 |
100 | 2,257 |
■ 飽和蒸気の顕熱と潜熱 |
KENKI DRYER の乾燥熱源として使用する飽和蒸気は顕熱と潜熱の両方を保有し、その割合は圧力により異なります。圧力が上昇するに従い潜熱は小さくなりますが顕熱は大きくなります。逆に圧力が下がると潜熱は大きくなり顕熱は小さくなります。顕熱と潜熱を合わせた全熱量は圧力が上がるに従い大きくなります。
潜熱 | 状態変化の際の熱で観察できない熱。蒸発、凝縮、融解、凝固。 |
顕熱 | 温度として表現され観察ができる熱。飽和蒸気の熱量は潜熱と顕熱の合計量。 |
エンタルピー | 内部に持つ熱エネルギーで内部のエネルギーと膨張、収縮するエネルギーを合わせたもの |
比エンタルピー | 単位質量当たりのエンタルピー |
熱量 | ある物質から外部へ放出した、又は外部から取り入れた熱エネルギー |
飽和蒸気表 | ||||
ゲージ圧力 | 温度 | 比エンタルピ (kJ/kg) | ||
(Mpa・G) | (℃) | 顕熱 | 潜熱 | 全熱量 |
0.001 | 100 | 419 | 2,257 | 2,676 |
0.1 | 120 | 505 | 2,202 | 2,707 |
0.2 | 134 | 561 | 2,163 | 2,725 |
0.3 | 144 | 605 | 2,133 | 2,738 |
0.4 | 152 | 640 | 2,107 | 2,748 |
0.5 | 159 | 670 | 2,085 | 2,756 |
0.6 | 165 | 697 | 2,065 | 2,762 |
0.7 | 170 | 720 | 2,047 | 2,768 |
0.8 | 175 | 725 | 2,030 | 2,772 |
■ 熱源 蒸気 |
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